強迫性障害を治すために筆者が実践している思考方法をご紹介します。紹介する方法を試すようになってからは症状がかなり改善されました。なお、病院で処方される薬はほとんど効果を得られなかったので、基本的な栄養を摂取し、脳へ病気を治すために必要な栄養を行きわたらせ”行動療法”などと云われますが、具体的には考え方を変えることによって強迫性障害を治療しています。
実践前
考え方を変える前までの症状は参考までに、以下の通りです。
- 確認行為はドアの開閉を始め、ほとんどのことを二度以上確認する
- 儀式行為は家事など一定のルールに基づいて行い、それから外れると最初からやり直す
- 不潔恐怖はお風呂だとシャワーのみで平均40分、最高で2時間くらいで、手洗いも外出後は20分くらいが通常で最高で4時間ほど
というのが日常で、とても疲れる生活を20年以上していました。上記のものは一例で強迫性障害に分類されるものは、大小の差はありますがほとんど当てはまります。
克服するための思考法
慣れる
曝露療法とも云われますが、その状況に慣れさせます。始めの方は辛いです。しかし、ここは発想の転換をすると「強迫性障害になったのも、その状況・状態に慣れて慢性化したことが原因なわけだから、その逆をすれば良い」と考えるようにします。
一説では強迫観念が生まれてきたら無視すると、時間の経過によってストレスが減るとしていて、最も有効な治療法は”無視”することという主張もありますが、無視はかなり難しいと思います。そもそも無視出来るような性格だったら病気になってないですから。
なので無視するというより、強迫性障害の逆をしてそっちを慣れさせた方が確実です。ただしよく説明にもありますが、軽度のものから始めた方が良いです。主観で比較的どうでも良いと判断出来ることで、例えば家の戸締りなどもし間違えたら重大な結果を招く危険性があるようなことは後回しにした方が良いです。本当に重要な強迫行為はしないとストレスが大きく、他に影響を及ぼす可能性がありますので、軽度に分類出来るものから始めましょう。
とりあえず仮定する
多くの強迫性障害の症状は、自分がしたことに対して不安感を抱くことが原因です。なので”したかどうか”について考えてしまう場合は、”したと仮定する”ようにします。確証が持てないのがこの病気の特徴の一つで、確実にしようとするから同じ思考を繰り返してしまいます。そこで確実にはせずにとりあえず大丈夫だと仮定します。強迫性障害の人は往々にして神経質です。なので「やったかやってないか迷う」場合は「やった」確率の方が高いです。
また、筆者の経験では「やってない」場合と「やってないかもしれない」という感覚はかなり違います。これは強迫性障害特有の感覚で、今まで養われてきた区別する神経質な感覚を活かします。
強迫性障害の特徴である”大丈夫な感覚”と”大丈夫じゃない感覚”は圧倒的に違うことを利用し、不安な場合は”仮定”をします。
同様に不潔恐怖では「触れたかもしれない」という思考が支配することがよくあります。これも「触れた」場合は感覚が全く異なります。神経質を逆に利用しましょう。
一度の確認で大丈夫
これも上述の内容に近いですが不安から来る確認やこだわりは、一度の確認で大丈夫です。何故かというと強迫性障害の確認感覚は鋭敏なので、脳では十分に処理出来ています。2回以上するから思考がフリーズするので、強迫性障害の場合は一度でも十分な感覚を持ち合わせています。
ゆっくり行動すると逆に時間短縮になる
強迫性障害は同じことを何度も考えてしまって「早くしよう」と思い、それが悪循環となり結果としてさらに時間が掛かってしまいます。そこで逆転の発想でゆっくりと行動するようにします。時間が掛かってしまう大きな原因に”焦り”があります。焦らずに落ち着いて行動することによって思考が落ち着きます。筆者はこれを実践したところ、普段3時間以上掛かっていた夕食後の家事から入浴終了までが1時間半程度にまで短縮出来ました。
適当に!
まとめですが、強迫性障害の人は普通の人と比べると当然ながら完璧主義であることが多いと思います。筆者の結論では、強迫性障害の人が適当にして常人と同じくらいのレベルです。つまり適当に思考・行動すると丁度良いくらいなので、普通っぽくしようとするより「適当にして普通レベル」と考えた方が負担は少ないと思います。急がず、適当に、気楽にを心がけるとストレスを最小限に出来ます。
その他のポイント
その他に治すためのポイントは
- 潔癖症でも確認行為でも、基本的にキリが無いので諦める
- 罪悪感や責任感は意識しないようにする
- 大抵のことはどうでも良いと思う
- 迷ったり悩んだりした時は一つ目の判断を優先する。一つ目の判断は無意識で行われていることが多く、俯瞰も出来ているので、思考がフリーズしてグルグル回っている時よりも信頼出来る。
などがあります。その他にも自分の癖を利用したものも良いでしょう。
効果
筆者は通院を止め、自分で治療することにしました。理由は薬物療法の場合は再発の可能性もあり、根本的な治療にはならないと考えたこと。そして認知療法でも自分自身が変える意志を持って、思考回路を変更した方がより持続的に効果があると考えた為です。よく他人に教わるよりも、自分で学んだほうが身に付くなんて云われますが、そんなイメージです。
実際の効果は以下のような改善が見られました。
- 入浴時間は平均40分から20分前後にまで短縮
- 夕食後の家事は2時間から1時間前後に
- 在宅時でも頻繁に鍵の確認をしていたが、たまに一度見る程度に
など、強迫性障害に分類される症状の多くは改善が見られました。今まではただ闇雲に「普通になろう」として全く効果はありませんでしたが、思考方法を変えることにより明らかに違いが見られました。行動療法というよりも思考療法の方がより効果的だと思います。
最後に
薬物療法は基本的に症状を強制的に抑えることを目的としていて、自己治癒力による回復を目指すものではありません(漢方などは別だと思いますが)。なので、根本的な解決にはならないと筆者は考えています。なので、自己治癒力に働きかけ既述の思考方法を実践するためには、少なくとも十分な栄養の摂取は必要です。そもそも脳の回路を正常に出来る栄養素が体内に無ければ、正常にしようが無いからです。
日常で問題無く栄養管理が出来ている場合は実践の妨げにはなりませんが、不十分だと感じる方はサプリメントを活用すると効率的です。筆者はDHAはもちろん脳に良いとされる様々な成分を摂取してきましたが、最も効果のあったのがAlive!です。成分のみを抽出した通常のマルチサプリメントと違い、かなりの種類の食品をそのままサプリメントにしているので、沢山の食品を一度に食べているのと同じ意味になり効果的です。筆者は病院の処方箋よりも永続的な治療に効果があると判断したので、こちらを利用しています。
医者の言いなりになって治るとは限りません。自分で治すための”意志”が必要です。そのためにも自分自身を積極的に変えることが最も確実な治療方法です。